写真で日々綴る、不連続な手紙
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2008.09.05 .Fri 00:36
ここは、とある会員制秘密クラブの中。
あたしは今時あまり流行らないような、真っ黒なサングラスをエントランスで受け取り、
同じサングラスをかけた人々の群れへと漕ぎ出した。
談笑する正装にサングラスという出達の男女。
視界にときどき紛れ込む、ギュウギュウに締め付ける、エナメルのコルセット。
ほんの小さな溝にもはまってしまいそうな、ピンヒール。
そんなものをサングラス越しに鑑賞しながら、歩いてきたギャルソンのトレーからシャンパンを抜き取る。
ヒールが毛足の長い絨毯にいちいち沈み込むので、
奥にある真っ赤なジャガード織りのソファに身体を沈めて、足を投げ出した。
すぐに、いかにもお金が余っていそうな、サングラスの大男が隣に座った。
男は、よく手入れされた口髭を生やし、身体にフィットした仕立てのいいスーツを着て、
これみよがしにピカピカの靴を履き、大きな石のついた指輪をいくつもしている。
その内の1つが、なにかの容器になっているようだった。
彼が、日焼けしながらも決して荒れることのない指先で指輪の蓋を開けると、
中には白っぽい、キラキラ光る粉が見えた。
それを、ギャルソンがテーブルに置いていった真四角の紙にサラサラと落とすと、
紙を片手で注意深く持ち上げて、粉がサラサラと移動していくのを見つめていた。
あるいは、それをあたしに誇示しているのかしら。
あたしは、ソファにゆったりと寄りかかったまま、しばらくそのきらめきを目で追った。
サングラスを通して見ると、それらはすべてグレーに濁ったが、
すべてがきらびやかで、楽しげだ。
※テキストは、もちろんフィクションです(笑)
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