写真で日々綴る、不連続な手紙
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2009.10.05 .Mon 00:00
PENTAX K100D, SIGMA 100-300/4.6-6.7 DL
had some PC works
わたしが黙って歩きだしたその後ろで、彼が戸惑っているのがわかった。
すぐに追ってくるかと思ったけれども、
突き進む背中に、見知らぬ人の気配ばかりが覆いかぶさってくる。
たまりかねて立ち止まったとき、その雑踏に知った顔は見当たらなかった。
雑然と並ぶ見知らぬ顔だの服だのがピンボケに曇り、
あたしの視線は方々へと滑る。
ふと、今夜の月が目に入った。
昨日が十五夜。
こんなにきれいな月を、ひとりで見ているなんて。
街ではただ丸いだけの月も、
電車で1時間のここなら、木々に蒼い月明かりをにじませている。
わたしは点在する街灯を頼りにトロトロと歩く。
灯りと灯りの間を線で結ぶのがめんどうくさい。
明、暗、明、暗・・・
「月の砂漠」を口ずさんでいた。
あの何気ない歌詞が、結果を求めるな、と言っているかのようで、
このまま放っておくことができない性分を、静かに諫める。
※テキストはフィクションです。
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